辞めると言い出せない
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辞める手順そのものは、もう調べがついているはずです。詰まっているのは手順ではなく、それを相手の前で口に出す一回のほう。ここではその一回を、自分でやる部分と外に出せる部分に分けます。
先に結論だけ知りたい場合は、4問で頼む先を判定する退職代行タイプ診断から始めてください。
AIはここまで教えてくれたはず
おそらく、こう言われた
- 期間の定めのない雇用なら、解約の申入れから2週間で退職できる(民法627条1項)
- 就業規則に「退職は1か月前までに申し出ること」とあっても、法律上は民法の2週間が基本になる
- 年次有給休暇は労働者の権利(労働基準法39条)。会社には取得時期を変更させる権利があるが、退職日より後にずらすことはできない
- 離職票は、退職者が希望すれば会社が発行の手続きをする
どれも正しい情報です。ただ、知ったからといって明日の朝に上司の席へ歩いていけるかというと、それは別の話です。法律は「言えば辞められる」ことを保証しますが、「言う」ところは代わってくれません。
それでも動けないのは、この3つのどれか
- 言ったあと、職場にいる時間が耐えられない退職を伝えてから最終出社日まで、気まずいまま通い続ける姿が先に浮かぶ。障害になっているのは手続きより、その期間です。
- 引き止められて、押し切られる未来が見える以前切り出して流された経験がある。同僚が引き止められるのを見ている。話し合いの場に立つこと自体に勝ち目を感じていない状態です。
- 有給や未払い分の話を、自分で交渉できる気がしない辞めること自体より、残った有給の消化や未払い残業代の請求といった、お金が絡む話を持ち出すのが難しい。
どれに当たるかで、頼むべき相手が変わります。特に3つ目の場合は、窓口を間違えると法律上どうにもならない場面が出てきます。詳しくは4つ目の見出しで書きます。
自分で片づけられる範囲
ここは、今日ひとりでできる
退職届を内容証明郵便で送る
退職の意思表示は口頭でも有効ですが、「言った・言わない」を避けるなら書面が確実です。内容証明郵便にすると、いつ・誰が・どんな内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれます。費用は基本料金に書留と内容証明の加算料金が乗る形で、1枚ならおおむね1,000〜1,500円前後。窓口のほか、日本郵便のe内容証明を使えばWebからも出せます。書き方と送り方は退職届の書き方と、内容証明郵便で送る手順にまとめました。
貸与物を郵送で返す
社員証、PC、制服、健康保険証は、出社しなくても返却できます。追跡番号の残る方法で送り、送ったものの一覧と番号を控えておきます。
離職票と源泉徴収票の送り先を伝える
離職票は失業給付の申請に、源泉徴収票は転職先の年末調整か確定申告に要ります。郵送先の住所を会社に伝えておけば、受け取りのための出社も要りません。
ここまでは代行を使わなくても成立します。「伝える」以外の事務は、実はほとんど郵送で片づきます。
自分では無理な範囲と、その理由
会社からの連絡を止めること
退職届を送っても、会社からの電話やメールは止まりません。「一度話そう」という連絡に応じないという判断を毎回自分で下し続けるのは、想像以上に消耗します。第三者が窓口に立つと、その連絡自体が自分に届かなくなります。
「交渉」は、誰に頼むかで可否が分かれる
依頼先によって、法律上できることが違う
有給を何日消化するか、退職日をいつにするか、未払い残業代をどう払ってもらうか。これらはいずれも会社との「交渉」にあたります。
報酬を得る目的で他人の法律事務を扱うことは、弁護士法72条で弁護士以外には認められていません。そのため民間企業の退職代行は、本人の意思を伝えることはできても、条件の交渉はできません。交渉に踏み込めるのは、団体交渉権を持つ労働組合と、弁護士だけです。
つまり3つ目の理由に当てはまる人が民間業者に頼むと、交渉が必要になった時点で先へ進めなくなります。料金の安さで選ぶと失敗しやすいのがこの部分です。線引きの詳細は退職代行は違法?非弁行為になるケースとならないケースで解説しています。
頼む場合の、3種類の違いと契約前に見るところ
| 運営主体 | 費用の目安 | できること | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 民間企業 | 2〜3万円 | 意思の伝達と事務連絡の取次ぎ(交渉は不可) | 条件面で揉めそうにない |
| 労働組合 | 2.5〜3万円 | 伝達に加えて団体交渉(有給消化・退職日の調整など) | 有給や退職日で揉めそう |
| 弁護士 | 5〜10万円 | 交渉に加えて法的な請求(未払い賃金、損害賠償の主張への対応) | お金の請求がある、または会社から請求されそう |
契約前に確認するのは次の3点です。
- **自分のケースに交渉が要るかどうか。**有給を残している、未払い分がある、会社から損害賠償をほのめかされている。どれかに当てはまるなら民間業者は候補から外れます
- 追加料金の条件。「一律料金」とあっても、連絡回数や対応期間に上限を設けていることがあります
- **「弁護士監修」と「弁護士が対応」は別物であること。**監修は、実際に会社と話すのが弁護士だという意味ではありません。誰が会社と話すのかを確かめます
先に自分のケースを整理したい場合は、退職代行タイプ診断で頼む先を判定できます。
本ページは一般的な情報の整理であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。 費用は一般的な価格帯の目安で、実際の金額は条件や事業者によって変わります。 誤りを見つけた場合はお問い合わせからお知らせください。